ダークパターン: メルマガ設定編
みなさま、お久しぶりです。Tiffanyです。お元気にしていましたか?
この数ヶ月、リサーチ用にさまざまなメルマガに購読していました。アメリカのものも、日本のものも。そのお仕事が終わったので、各ブランド・サービスから配信停止をしようとしたら…なんと、日本のメルマガ配信停止のハードル高くない?購読するのは簡単なのに!というところで、ダークパターンを明らかにしていきたいと思います。
ダークパターンってなに?
ダークパターンは、商品やサービスを販売する際に、人々が意図しない行動をとらせるために使われるトリックや手法のことです。例えば、小さな文字で書かれた注意書きや、意図的にわかりにくい場所に配置されたボタンを使って、人々が間違って購入したり、サービスに登録したりするように仕向けることがあります。これにより、消費者は自分の意志ではなく、企業の利益に利用されることになります。
よくあるよね〜メルマガ登録し覚えがないのに、気づいたらメールが届いていること。それはよくそのサービスやブランドを使ったときに「こちらを購入・使用にあたってメルマガにも登録してもらいますからね〜」とプライバシーポリシーとかに書いてあったりするんだよね。あとは、勝手に保険プランがオンラインショップのカートに入っていたりとか。自分が意図していないものは大体「ダークパターン」になります。
アメリカ企業の事例
今回はメルマガだけに注目していきます。もし他のダークパターンを知りたかったらご連絡ください。
The Parking Spot
最近出張があったため、こちらのThe Parking Spotを利用させていただきました。利用させていただいた日ぐらいから広告メールが飛ぶことに気づきました。基本的にいつも「広告メールに購読する」という選択肢があるときは外すようにしているので、あれ?と思ってThe Parking Spotのチェックアウトを確認したら…
チェック外すところないじゃん!Terms and Conditionを読んでみたら…
ちゃっかり書いてありました。メールアドレス使うよ!って。THEダークパターン。顧客が意図していないで勝手に広告メールに購読させること。
じゃあ、外してみよう。最新のメールのスクショがこちらです。
よし、じゃあ「Unsubscribe」してみるか。
おお、できた?ん?どういうこと?と思わせる画面が開きました。先ほどのメールの一番下の「Unsubscribe」をクリックした瞬間にこちらが表示されました。「Thank you! You have been unsubscribed from this publication.」って、え?この広告だけしか配信停止できてないの?英語の問題?って気持ちになりました。下に読んでいくと、「Unsubscribe from all」って書いてありますね。何の「publications」があるかもわからないのに、何に停止したかもわからないし、「All」というのも極端。Intuitive(直感的)ではないのが、ダークパターンの事例に入りますね。
「Unsubscribe from all」を押したらこのページが表示されました。無事配信停止ができたようですが…ちょっとモヤモヤな気持ちになりましたね。アメリカすべてがこんな感じではありません。もっと悪質なものもあれば、もっと簡単でさっぱりしているものもあります。それは日本も同じだと思いますが。
日本企業の事例
では、今度は日本の会社の事例を見ていきましょう。
ANAショッピング
ANAショッピングのメルマガにいつから購読していたのかは、覚えていません。また、どうやって購読したのかも覚えていません。が、ずっと何年も届いているメルマガのひとつです。今日一緒に配信停止しましょう!
では、一番最新のメールを開いていきます。
そもそもメール自体が重くて「Message clipped」になっちゃっていますね。大事なCTAも隠れているし、配信停止なども隠れている。「Message clipped」になってしまうと、エンゲージメント率は下がるし、不審率は上がってしまいそうですね。そこはマーケターとして気をつけないとですね。「Message clipped」は送信者が意図的に行なっているものではないと思いますが、配信停止の選択がこのビューでは消えてしまっているため、購読者は永遠に購読したままに残せることもできますよね。
とりあえず、「View entire message」で表示させました。
メールすべてを表示させたら、しっかり「配信停止、メールアドレス・受信形式の変更」というリンクがありました。よかった。このへん、スクリーンショットでは気づきにくいですが、非常にテキストサイズが小さいです。また、グレー色のテキストもコントラストが弱いため、アクセシビリティーに違反しているように感じます。まあ、おいといて。
「本メールはANAショッピング A-styleにて配信をご希望されたお客様にお送りしております。」とグレー色で書いてありました。いつ配信希望したんだろう?
と、もっと下に小さい字で何か書いてある。いや、すごく小さい。もう一度スクショ貼ります。
伝わりますか?一番下のテキストサイズの小ささ。びっくりした。「このようなメール配信が不要な方は、こちらのリンクから配信を停止してください。」と書いてあります。上の青色の「配信停止、メールアドレス・受信形式の変更」とは違うのでしょうか?
見ていきましょう。まずは、「配信停止、メールアドレス・受信形式の変更」をクリックしてみました。
ん?ご利用ガイドのページが開かれた!しかも配信停止したい場合は、ANAショッピングからではなくANAマイレージクラブからだと?これはなかなか配信停止のハードルが高いです。個人的にはこれはとても日本特有な沼だと感じています。アメリカでこのような配信停止スタイルは体験したことありません。これはダークパターンと読んでいいと思います。
でも、そう決めつける前に私たちにはまだメールの最後に小さいテキストサイズで書いてある配信停止のリンクがあります。そちらをクリックしてみましょう。
…ガーン。同じリンクでした。何なら最初のリンクはマーケティングリンクになっていて、トラッキングされてるし。テストしているのであれば、これは直したほうがいいと思います。
ANAマイレージクラブのログインは今持っていないので、今日はANAショッピングのメルマガを配信停止できませんでした。ダークパターンの犠牲者になってしまいました。
最後に
メルマガはマーケティングチームにとても大切な戦略ということは分かっています。ですが、強制的に購読させていたり、配信停止をほぼ不可能にするのはとても悪質です。顧客の権利を無視していて、不快です。手法によってはプライバシー侵害にもつながるし、ユーザー体験がよくないです。ユーザーにストレスや不快な気持ちを与えてしまうと、信頼関係が崩れてしまいます。
今の時代はプライバシーと個人情報の保護をすることが大切です。いちユーザーとして、自分の情報をしっかり管理することが大事です。不要なメールを受信することで、個人情報が第三者に漏洩するリスクが高まる可能性があります。その行動をサポートしない企業は私にとっては悪質です。
こういったダークパターンが減っていくことを祈っております。