MHCID, User Needs Analysis
無事Fall Quarterが終わったので、Fall Quarterで受けた授業のまとめをしたいと思います。MHCIDについてはこちらの記事を読んでくださいませ。
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今回の記事では、User Needs Analysisの授業についてまとめたいと思います。User Needs Anaylsisでは、ユーザー(人間)の動きを様々な手法でリサーチし、この人たちはどういうプロダクト/サービスを求めているのかを考えることをしました。授業の流れとしては、1. 自分が選んだ組織を観察する(Inductive Research)、2. インタビューを行う、3. データをまとめて分析、でした。Inductive Researchとは最初に仮説などを持たず、ざっくりと情報を集めてからbreakdown/painpointを分析し、問題解決をするというリサーチ法です。
私はこの授業ではアニマルシェルター(動物保護施設)の組織を選び、課題を進めました。アニマルシェルターを選んだ理由は、毎週かわいい動物たちに会えると思うと課題のモチベーションが上がるからです。
Ethnographic Research
2週間の間に合計3.5時間ほど実際にアニマルシェルターに足を運び、観察をしました。観察している間はとにかく人に質問をしてはいけない、気になったことはメモをするを意識していました。小さいローカルなアニマルシェルターだったため、部屋の隅っこに立つだけで観察からたくさんの情報を集めることができました。短い時間でこんなにもたくさんの情報を得ることができることについてとてもびっくりしました。
Interview
観察を終え、たくさん聞きたい質問が出てきたところで実際にシェルターに関わる人たちとインタビューをしました。私はオフィス(事務)で働いているメンバー、ケンネル(飼育)で働いているメンバー、とビジター(お客さま)の合計3人からお話を聞かせてもらいました。観察をしている間に気になる点を謎を解くようにインタビューをしました。英語のインタビューは初めてに近いので、緊張したし向いていないな〜と感じました。
インタビューでいちばん苦労したところは、お話したい人をつかまえることでした。ローカルなシェルターにも関わらず、毎日本当に忙しく朝から夕方までお客さまが途絶えることがないです。インタビューの予約はできないと言われてしまったので、スタッフの空いている時間を見計らって30分ほどお時間をいただきました。毎週シェルターに観察しにきていたため、スタッフのみなさまには私の顔を覚えていただき、快くインタビューを受けていただいたのはとても嬉しかったです。「私いま時間空いたからお話できるよ!」と言ってもらえたのは、毎週観察してちょっとでも信頼関係が築けたからかな〜と思いながらお話させていただきました。
Analysis
観察とインタビューから集めた情報(データ)をまとめて分析をしました。テキストとビジュアルの2種類にデータをわかりやすくまとめて分析をました。
Data Analysis Memo
こちらではデータをテキストとしてまとめました。今回はLofland & Lofland's 8 questionsという手法を使用しました。8 questionsに答えるためにはまず1つtopicを選び、そのtopicについて8 questionsにあてて答えます。私が選んだtopicは「アニマルシェルターのオフィス(事務所)スペース」でした。事務所がどういうところなのか、どういう風に使われているのか、何が起きているのか、どのくらいの頻度で何が起きているのか、などを既存のデータを使用し、8 questionsに答えました。
1. Type
2. Frequency
3. Magnitude
4. Structure
5. Processes
6. Causes
7. Consequences
8. Agency
(引用:Analyzing Social Settings by John Lofland)
まだ完全にこの8 questionsをマスターしていないのですが、普段事務所がどのように使われているのかをより理解することができました。ただ、もう1度この課題をやるとするならばtopicを「アニマルシェルターのオフィス(事務所)内のお客さまの待ちスペース」に変更して8 questionsに答え直したいと思っています。理由は、事務所だけだと範囲が広すぎて質問に答えても大雑把になってしまいまとめるにもまとまりにくいからです。
Contextual Inquiry Heuristic Models
こちらではデータをビジュアライズしました。私は様々なモデルから3つ選び、データから気になった点を図にしてみました。
Workflow model
Sequence model
Artifact model
Cultural model
Physical model
The Day in the Life model
The Identity model
The Relationship model
The Collaboration model
(引用:Contextual Design by Karen Holtzblatt)
上記から私はWorkflow model、Artifact model、Physical modelの3つを選びました。Workflow modelではアニマルシェルターに関係している方々の役目、やっていること、どうお互いに繋がっているかを表しました。シェルターではお客さまがいないと何も始まらないのですが、お客さまの用途によってはシェルター内全員が関わってくるのでシェルターの複雑さがWorkflow modelにて可視化することができました。
Workflow Model:
Artifact modelではシェルター内にあるお客さまが順番待ちするための機械についてまとめました。この機械の使い勝手、設置してある場所など実際に観察中に確認したお客さまとスタッフの機械においてのpainpointをこちらのmodelで表現することができました。
Physical modelではオフィス(事務所)のスペースを図にし、Data Analysis Memoで見えてきたものをビジュアライズしてみました。ベンチの位置やスタッフの席の位置などを可視化し、スタッフとお客さまのコミュニケーションが効率的なのかどうかを分析してみました。
Physical Model:
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この授業はここまでで、見えてきた問題点をどう解決するかまでは行いません。それは次のWinter Quarterでやっていくのだと考えています。私の苦手な文章を書く場面が多い授業だったため、ついていけるのかとても心配でしたが先生に毎週のまとめを褒められながら(褒めたら伸びるタイプ)このFall Quarterを乗り越えることができました。今後もUX Researcherとして活動していきたいため、この授業はとても楽しかったしたくさんスキルを身につけることができたな〜と感じました。